今市に住んでいていつも気になっているものがあったんです。
大谷川沿いから対岸の大雑把に行って小百方面を見ると見えるやつ。
これ、この白いやつ。
山のてっぺんに白い人工物があって景観を損ねること極まりない。
ただ、これまでこれが何かを調べなかったし、そこまで行ってみようと思ったこともありませんでした。
ところが、別件を調べていてたまたまこの白いやつのところまで行くルートがあることがわかったので、行ってみることにしました。
毘沙門山登山口まで
まず、あの白いやつが建っている山が毘沙門山という名前だということがわかりました。
ということで毘沙門山の登山口まで歩いて行きます。
まず大谷橋を渡ります。
大谷向まで行くと白いやつがよりはっきり見えます。
橋を渡りきったら左方面へ。
材木町の交差点を渡り、真っ直ぐ進みます。
右手に見える茶臼山の紅葉がやっといい感じになってきました。
今市はやはり日光より少しだけ季節の進み方が遅いです。
やっと毘沙門山の麓近くに来ました。
ここまで来ると木に遮られて白いやつが見えにくくなっています。
ここから先は民家がなくなり、山の間を歩いていくことになります。
火葬場の日光聖苑に到着。
死を穢れなどと貶めて、人が亡くなった最後の旅立ちを手伝ってくださるこういう職業の人を差別するのは愚かすぎると思いますね。
登山口から毘沙門山山頂まで
日光聖苑の前を過ぎると、茶臼山ハイキングコースの入り口があります。
ここからまず毘沙門山の山頂を目指します。
歩きだしてしばらくすると、道に杉の葉が堆積しだしました。
途中倒木で遮られたりしています。
雨水が流れた後なのか道なのかわからないなと思いつつ進んでいくと、実は本当に道ではなく水が流れた筋だったようです。
ほどなく道をロストしました。
とりあえず尾根筋に出ようと斜面を登っていくことに。
尾根までたどり着くと、道らしきものがありました。
登っていくと標識を発見。ちゃんと正しいルートに戻れていたようです。
両側が急斜面の狭い尾根道を歩いていきます。
ほどなく、木の根っこと岩が絡まりあったほぼ崖が立ちふさがります。
左右を見ても道らしきものはなし。
ここを登っていくしかないようです。
足だけでは登れないので、四つん這いになり岩をつかみながら登っていきます。
現在放送中の『いわかける』で得たニワカ知識を駆使し、四本の手足の三点で体を支えながら少しずつ上昇。
『いわかける』を見ていつかボルダリングや岩登りをやってみたいと思っていたところ、はからずも似たような状況になりました。
頭の中では鈴木愛奈ちゃんの主題歌『もっと高く』が流れています。
TVアニメ『いわかける! – Sport Climbing Girls -』OP主題歌「もっと高く」 (通常盤)
しかし、垂直とは程遠い状態でもかなり怖いのに、安全が確保されたボルダリングならともかく、岩登りは無理だと思いました。
途中のちょっとだけ足場が安定した部分から見た様子。
体の向きは動かせないのでカメラだけ左に向けて撮っています。
目の前にはまだ岩の道が続きます。
ここまで来たら降りるのは無理だと思ったので、なんとか勇気をふりしぼって登りました。
このルートを「ハイキングコース」と言ってはいけないと思います。
やっと毘沙門山の山頂に到着。
山頂はとてもいい眺め。
向こうに見えるのは、おそらく栗山とか霧降方面の山々です。
こっちはたぶん鬼怒川方面ですね。
で、この山頂に例の白いやつが建っています。
平面反射板というものだそうです。
なんか電波を反射させるための設備のようですね。
昭和46年というと1971年。来年で50年になります。
しかしこれ今の時代にも必要なものなんでしょうか?
平面反射板ごしに見た今市の市街。
毘沙門山山頂から茶臼山まで
毘沙門山山頂から、登って来たのと反対側の道に進みます。
ここからあの岩を降りていくのはいやです。
と思ったけれど反対側の道も急斜面でした。
ここから茶臼山方面へ行きます。
こちら側のルートからだと直接下山できないので、否応なく縦走になります。
案内板が指し示す道。
道?
私の語彙力が間違っていなければ、こういうのは崖と言うと思います。
しかたなく、反対側を登ってきたのより慎重に、時にはお尻をつきながら降りていきました。
降りきって安全を確保してから振り返ると…やっぱり崖だこれ…
いやー崖じゃない道は歩きやすいな。
また急な斜面を登ることになったけれど、こちらは親切に段がつけてあるのでスイスイ登れます。
途中の紅葉を眺める余裕もあります。
しばらく進むと、降りる道と登る道の二俣に分かれていました。
登る方の道の先を見ると、何か建物があったので登る方を行きます。
そこに建っていたのは「今市テレビ中継放送局」。googleマップだと「今市デジタルテレビ・FM中継局」になっています。
その近くには鉄塔。
こんなところ保守点検するのは大変だろうなあと思っていたら、本当に点検の人たちが登ってきました。
仕事のために登山しなければならないのはつらいでしょうねえ。
っていうか、どうやって建てたんでしょうか。
ここを過ぎると、登る前に見えていた紅葉が登山道側から楽しめます。
尾根道を歩いていくと茶臼山の山頂に着きました。
この尾根道の左側は杉植林。
右側は雑木林で、道を挟んで左右の景色がまったく違います。
といういことで、杉植林を見てもつまらないので右側ばかり見て進みました。
もう下りしかないと思っていたら、もう一山。
登り切ると見晴台になっていました。
見晴台だけあって眺めがいいです。
眼下に大谷川が見えます。画像中央に見えるのは大谷橋です。
ちょっと左を見るとかましんも見えます。
ここには丸太のベンチがあるのでしばし休憩。
下に降りてみると、見晴台はこんな大岩の上でした。
この先は本当に下りだけです。
とはいえこの下り道もけっこう急斜面。
やっと出口が見えてきました。
大谷橋を渡ってからおよそ3時間ほどで出口というか茶臼山側の登山口に到着しました。
時間的にはちょっとしたハイキングという感じでも、途中の岩場はハイキングと言えるレベルではなかったですね。
こちらの登山口は国道121号線からちょっと入った位置にあります。
国道側から見た茶臼山の紅葉です。
茶臼山全景。
結論として言えるのは、紅葉は外側から見たほうがきれいということ。
しかし目的はあの白いやつを見に行くことだったので満足です。