東武日光線の下今市駅と東武日光駅の間にある上今市駅。
駅を出た南側には杉並木公園と日光杉並木街道が伸びています。
そちらに向かわず、踏切を渡って北側へ、そこから左に曲がって日光方面に歩いていくと田んぼが広がる田園地帯になっています。
すると、田んぼの片隅に小さな小屋のようなものが見えてきます。
ここが今市宿地蔵めぐりの一つである「しばり地蔵です」
今市宿地蔵めぐりの札は、今市のお地蔵さんのところに立っているのをよく見かけます。ただ、何箇所あるのか、どこのお地蔵さんがそうなのかについてはよくわかりません。
しばり地蔵の由来
このお地蔵さんがいつからここに鎮座しているのかは調べても不明でした。
日本では地蔵菩薩は本来の仏教の菩薩としてというより、道祖神の信仰と習合してこのように道端に置かれているほうが多いです。
「しばり地蔵」と呼ばれる由来は、お地蔵さんに願をかけるときに縄で縛り、その願いがかなうと縄を解くということから来ているようです。願いがかなわなかった場合はどうなるんでしょうか?
また、お地蔵さんを縛るのは苦しみを肩代わりしてもらう意味もあるとのこと。いずれにしてもひどい話です。
このお地蔵さんはまた「縛られ地蔵」とも呼ばれるとかで、お地蔵さんが縛るわけではなく人がお地蔵さんを縛るのだから「縛られ地蔵」のほうが合っているように思えます。
「縛られ地蔵」は、東京の葛飾区にもあって今でも縄で縛られているそうです。
葛飾区の縛られ地蔵とは違い、こちらのお地蔵さんは今はきれいに着飾らせてもらって大切にされている様子が伺われます。
現在でも実際縛られたりすることはあるんでしょうか?
周囲は一面田んぼ。田んぼのさらに向こうには大谷川が流れています。
正面は東武日光線の線路と、その奥に杉並木。
実はここは電車に乗っていてもちらっと見えます。ただ、このお地蔵さんの存在を知らなければ見逃してしまうでしょうね。
10月から下今市-日光間で運行されるSL弐号機・大樹「ふたら」に乗れば速度がゆっくりなのでよくわかるかもしれません。
しばり地蔵の情報
しばり地蔵
日光市瀬川326
東武日光線上今市駅から日光方面向かい徒歩5分ほど