日光だいや川公園は、上今市と日光駅の中間ぐらいに位置し、今市から日光へ向かって大谷川沿いを走る県道248号線を挟んで広がる広大な県営公園です。
公園内はいくつかのゾーンに分かれており、様々な楽しみ方ができます。
県道248号線南側
まず、日光だいや川公園の県道248号線の南側、今市寄りにあるのが日光ブランド情報発信センター「旬菜館」です。
ここは農作物を中心とした地産品の直売所になっています。
地元でとれたての新鮮野菜がとても安く手に入ります。また、中にはスーパーには並ばないような珍しい野菜なども混じっていることがあります。
時期にもよりますが、かなり種類が豊富で安いのでここはかなりおすすめ。直売所の外では花卉も販売されています。
直売所に隣接し、日光ジェラートというジェラートショップもあります。しかし私が入っていってもバイトの女の子が見向きもせず自分たちのおしゃべりに夢中になっていたので、あまりちゃんとした従業員教育はされていないようです。
直売所の近くにはお子様向け公園があります。
向かい側には無料休憩所。
休憩所の端っこには、ロコモコやキーマカレーなどべつにここで食わなくてもよくね?ってものを観光地ならではのボッタクリ価格で売る店があります。
このへん一帯は、以前は雑木林でした。特に、この駐車場あたりは樹液を出す木が数本あって、夏になると私の大切なカブトムシ・クワガタをとるポイントでした。夏休みの早朝にカブトムシをとっていると、地面を凝視してチタケを探しているおじさんにでくわしたりもしたものです。
公園が開かれる前にまず駐車場が作られ、なにしてくれるんだととても悲しい気持ちになりました。
ただ、今考えると当時このあたりは雑木林に宅地開発用の区割りのようなものがされていたので、いずれ住宅地として開発されていたかもしれません。
それを考えると、それなりに木々を残しつつ公園にしてあるほうがまだましだとも言えます。
駐車場から日光方面、つまり西側に行くとニュースポーツ広場というエリア。
お手軽に楽しめるパークゴルフのコースがいくつかあります。パークゴルフは有料です。
ニュースポーツ広場を抜けるとこんな案内板があったので、チョウの丘のほうに行ってみました。
坂を登っていくとこんなちょうちょを模した屋根が出てきてがっくり。このセンスのなさはさすが田舎の自治体のお役所仕事です。
丘の上には花が沢山植えられており、実際蝶が数匹飛び交っていました。
すぐ横は東武線の線路。その向こうは杉並木です。
あとなぜかアトランティックジャイアントという、最大で人間の大きさほどにもなる巨大かぼちゃが育てられています。ここのかぼちゃはスイカ程度の大きさでしたが。
チョウの丘を降りていくと、本来の雑木林を生かしたエリアがあります。
雑木林を抜けると体験農場。
野菜を植え付けてから収穫するまでの体験や、大豆を育てて、収穫した大豆から味噌を作るなどの体験などができるようです。
何回かに分けて行われるので、日光市民か日光に何度か通える人向けです。
体験農場から少し戻って県道のほうに行くと、学習施設「だいや体験館」があります。
ここでは炭焼や工芸品作りなどの体験会が開催されています。
入り口近くでは、日光の作家さんによる刻字の展示がされていました。
また、館内では昭和3年に完成したという日光東照宮1/10模型が常設展示されています。
東照宮内の建物が精巧に再現されており、ちょっとした東照宮ワールドスクウェアです。
職員さんがいろいろ熱心に説明してくれました。それによると、昭和と平成の改修を経た現在の東照宮とは異なる部分があり、改修前の東照宮が記録されている貴重な資料でもあるそうです。
この眠り猫も、現在のすっかり眠り込んでいるような様子とは違い、寝たふりをして家康の墓に近寄ろうとする邪気を狩ろうと待ち構えている表情だとのこと。
あと、現在の薬師堂の鳴き龍は、昭和に消失したものを再現したもので、そのとき龍の絵を担当した日本画家の堅山南風が、ただ写すだけでは魂が入らないからと、元の絵とは違う龍を描いたなんて話も聞かせてくれました。
それを聞いた私は、いやおまえの作家性とかいいからちゃんと再現しろやと思いました。
この模型の中には、そんなよくわからん理屈で別物にされる前の狩野栄信が描いた龍が再現されているそうです。
上から全体を俯瞰することもできます。
この再現模型はほんとうに素晴らしいものなので一見の価値がありますよ。
県道248号の北側
だいや体験館から県道を渡り、北側を今市方面に戻ります。
まず、こちらがわにも雑木林をそのまま活かしたエリアがあります。
しばらく雑木林を進むと、フィールドアスレチックの設備がありました。フィールドアスレチックも有料です。
金を払わずヘルメットを付けずにやって怪我しても責任もたんからねという注意書きがありました。アホなクレーマー対策としては有料にして防具を装着させるというのは有効かもしれません。
その先は芝生の広場になっており、池があります。
ちょっとだけ色づいてきている木もありました。しばらくすれば紅葉が楽しめるでしょう。
池にはかるがもの群れ。
池の対岸には緑の相談所。ここでも体験講座や展示会などが行われています。
だいや川公園北側の一番今市寄りのエリアはオートキャンプ場になっています。
キャンプするわけじゃないからいいかなと思ってキャンプサイトのほうに向かうと、職員の人に呼び止められ、受付をするように言われました。
見学者証を渡され、見て回った後はまたサービスセンターに戻って返さなければなりません。
もともとの雑木林の中に、オートキャンプ用のキャンプサイトが作られています。
電源も使えます。
こちらは水場と、その奥はトイレです。
オートキャンプ場の隅っこにあるフリーテントサイト。
ここは車で来なくてもテントを張ってキャンプできます。ただ、奥の黒い柵の向こうは道路です。このへんには、バイクででかい騒音を出すとかっこいいと思ってるようなアホがまだ生息しているので、あまりいい環境とはいえません。
ロッジやトレーラーハウスなどもあるので、なんの準備をしていなくても泊まることもできます。もっとも、それをキャンプと呼べるのかどうかはしりませんが。
日光だいや川公園は車で来る人向け
日光だいや川公園は、上今市から歩いて行けなくもないですが30分ぐらいかかります。
どちらかというと車で来る人向けだと思います。
県道248号線は今市から日光へ抜ける裏道です。日光街道は混みがちなので、地元民はだいたいこっちを使います。
日光へ行く途中で寄って遊んだり、日光から帰る途中に寄って野菜を買ったり、あるいはここでキャンプをしながら日光の観光もしたりといろいろな楽しみ方ができる公園です。