100年を越える建築遺産JR日光駅

東京・神奈川・埼玉方面から日光に行くには東武日光線が便利。

東京東部からはもちろんのこと、現在は池袋・新宿方面からもJRから東武線に乗り入れる特急が運行されているし、普通列車を使う場合でもJRで栗橋まで行ってから東武線に乗り換えた方が便利です。

今では日光の玄関口といえば東武日光駅になっています。

でも、たまにはJR日光駅のことも思い出してあげてください。

JR日光駅は明治時代開業

JR日光駅は明治23年=1890年に開業しました。

明治時代になって外国人が多く訪れるようになり、日光はまず外国人によってリゾート地として利用されるようになりました。

日光に鉄道駅が作られたのもそうした需要の高まりによります。

まだ国有鉄道が存在していなかった時代。日光駅を建設したのは、当時の私鉄・日本鉄道でした。

開業してから16年後の明治39年=1906年に日本鉄道が国有化されたため、日光駅も国有となり、戦後には国鉄時代を経てJR日光線の駅として存在し続けています。

現在の駅舎は大正元年=1912年に立てられた2代目です。

「ネオルネッサンス建築のハーフティンバー様式」で建てられているとのこと。

設計者は長年不明でした。これだけの建物の設計者が公式の記録に残されていなかったのはどういうことなんでしょうか?

それが近年、日光市の郷土史家・福田和美さんの研究により鉄道院の技手だった明石虎雄の設計者であることが判明しています。

ネオルネッサンス建築は、19世紀に流行った当時の建築技術で建てられたルネッサンス建築を復刻したような建物だそうです。

国内では京都の中京郵便局もネオルネッサンス建築で建てられています。

100年以上の歴史をもつ貴重な建築遺産でもあるのです。

JR日光駅の外の様子

などといいつつ東武日光駅から行きました。自宅は下今市のほうが近いので日光に行くには東武線のほうが便利なのです。

東武日光駅を出て左に曲がりまっすぐ行くと、1分程度でJR日光駅に着きます。

日光のメインステーションは東武日光駅になっているとはいえ、宇都宮方面に行くにはJR日光線を使ったほうが便利。日光市民を始め沿線住民の大切な生活路線なのでなければ困ります。東武線で宇都宮に行くには、新栃木まで行って東武宇都宮線に乗り換えなければならず、とてつもなくめんどくさいのです。

また、新幹線で宇都宮駅まで行った人が日光に行くにもJR日光線を使うことになります。

ですからJR日光駅を使う人もけっこうたくさんいます。

駅前には湧き水が流れているスポットがあります。この湧き水は飲むことができて、以前はひしゃくが置かれていましたが今はありません。現在の状況を鑑みてコップを持参してきて飲んだほうがいいでしょう。

駅前にある男體山と彫られた石灯籠。古いように見えて電気でライトがつく仕組みです。

JR日光駅はまた「関東の駅百選」の一つでもあります。

駅長室の外観。明治から大正にかけて多く作られた和洋折衷が作り出す絶妙な建築美があります。

駅の入口横に置かれた石碑。「晃山益炗」とあります。「炗」は光の異体字。晃山は日光山のこと。「益」には満ちるという意味もあるようなので、日光山に光満ちるという感じの意味ではないかと思われます。

駅の入口です。天上に龍がいるのは東照宮薬師堂の鳴き龍をイメージしてるんでしょうか?

あれ行列にならんで行くわりには、パァンと拍手したらそれが響くだけというかなりしょぼいアトラクションですよね。

JR日光駅の中の様子

駅の待合室にはコインロッカーとTATAMIベンチがあります。

古い駅舎ですが古臭さはなく、簡素できれいな内部です。

駅に入ってすぐ右に木の階段があります。

二階はかつて一等車利用者用の待合室でした。空港のファーストクラス専用ラウンジ的なものかもしれません。

現在は「ホワイトルーム」として誰でも入ることができます。

木の階段を登って二階へ。

シャンデリアも建設当時のものだそうです。

往時は外国人やお金持ちで賑わっていたのでしょうか?

皇族方などはここではなく一階にある貴賓室を使われていました。

このスペースでは時折写真展などが開催されます。今回行ったときはただ日光駅の歴史について記されたパネルが置かれているだけでした。

窓から外を見た様子。日光ステーションホテルクラシックが見えます。

こちらはホーム側。

二階に置かれていたパネル。解読するとこういうことのようです。

デコラティブというのは装飾ということで、つまり駅舎正面上部の半円の窓。たしかにこれがあるとないではだいぶ印象が変わります。

ハーフティンバー様式というのは、柱を隠さずに柱もデザインの一部として利用する建築様式のことらしいです。

東武線を利用する人は、日光市街や東照宮方面とは逆にあるこのJR日光駅を目にすることはめったにないかもしれません。

でもちょっと足を伸ばして、日本でも有数の大正時代に建てられたまま現役で使われている美しい駅舎を見に行くのもおすすめですよ。

下今市まで東武線で来て、今市を軽く散策してからJR今市駅に向かいJR日光線で日光に行ってみるというのもまたいいのではないかと思います。

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